「優子&おじみシリーズ」『呼出し』

おじみは、期待と同時に不安を感じながら、カフェであの人が来るのを待っていた。

これまでに自分からカフェトークに付き合ってもらうことはあっても、あの人から誘われるようなことは一度もなかった。「話したいことがある」という短い用件のみが書かれたメールからは、あの人の意図は全く不明だった。

ただ、思い当たる節が無いわけでもなかった。先日の公開テストの件だ。惨敗だった。そしていつもの"おじみミス"をやってしまったのだ。神崎本で解いたはずの問題を、本番で間違えてしまったのだ。それをテスト直後にtwitterでつぶやいたところ、あの人から冷ややかなRTが返ってきた。

"ダメダメだな、進歩無し"

その事を、今日は直接ダメだしされそうな気がしていた。そしたら、仕事が忙しくて勉強する時間が無かったと、またいつもの言い訳をするつもりだ。(本当は、撮り溜めてあったテレビドラマをまとめて見るのに忙しかったのだけれど)

一方で、淡い期待もあった。ホワイトデーの品をまだもらっていなかったのだ。バレンタインにはブルガリの本気チョコを渡してあった。念のため、今日は週末のセールで買ったホットパンツとお気に入りのピンクのハイカットスニーカーを履いてきていた。

待ち合わせの時間が近づくにつれて、落ち着かなくなってきたので神崎本をバッグから取り出してパラパラとめくっていると、重大なミスに気が付いた。間違えた問題に、チェックを付けていたままにしていたのだ。

皿回し理論では、チェックを付けるのは禁止だ。これを見つかったら、あの人に何を言われるか分からない。幸いにもフリクションペンでチェックを付けていたので、大急ぎでそれらを消し始めた。

すると、近くに人の気配を感じた。おじみは顔を上げると、そこには意外な人物が立っていた。

「あっ、優子さん!」

(つづく)

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