TOEIC妄想小説 夏の扉(その2)

視界に再び色彩と動きが戻ってきた。

どうやらそこが国際会議場だろうと分かったのは、楕円形の大きなテーブルに国際色豊かな顔ぶれの参加者が着席していたからだ。ターバンを巻いた大男が議長席に着いていることからして、ここはインドなのかもしれないと思った。

この非日常な展開にも関わらずボクが落ち着いていられたのは、隣にユウコが愛猫のジュリアンを抱いていたからだ。そしてこの場所が少なくとも僕達に危害を及ぼす可能性が無いだろうと判断したのは、議長席の後ろに掲げてあった大きな看板が目に入ったからだ。

『20XX年 国際動詞判定連盟年次総会』

会議はダーバン男の図太い声で始まった。

”それではこれから総会を開始します。今年は各国から合計1019語の申請がありました。1語ずつ順番に自動詞、他動詞の判定、及び語法について議論をして決定して参りたいと思います。各位の積極的な御意見と、会議のスムーズな進行にご協力をお願いいたします”

ユウコが得意顔で話しかけてきた。
「ほら、やっぱり他動詞は他動詞って決まってるんじゃない」
「えっ、」

ダーバン男が続けた。
”静粛に願います。今年の審議を始めるまえに、各国の代表者に改めて通達しておきたいことがあります。言語はルールに従って話されるべきです。当連盟の上位機関である国際英文法連盟が認定したルールが絶対です。ルールがまずあり、それに従うことで言語体系の秩序が保たれるのです。その大原則を今一度、代表者の皆さまにおかれましてはご認識ください。では、申請番号1の単語から審議を始めます”

「ねえ、英文法は後付けのルールだって言ってたわねよね?」
「でも、例外はたくさんあるし新しく生まれてくる言葉や自然言語もあるよ」

「だからここで決めてるんじゃない、例外も含めて全部ここで決めてるの」
「そうかなあ、言語っていうのは、、、」

「ダメ、それをここで言っちゃダメよ!」
「言語は心が自由に生み出して、心で感じるものなんじゃないかな」

その瞬間、場内の全てが凍りつくように止まり、再び色彩が消えていった。

(つづく、たぶんあと1回)

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No title

内容が高度なギャグ(?)ですね!!
くすくす笑いながら読んでしまいました!
連載応援しております(^^)/

リンクありがとうございます!
私のほうでもリンクさせていただきました!

Re: No title

Jet Bullさん、

> 内容が高度なギャグ(?)ですね!!
> くすくす笑いながら読んでしまいました!

その点を理解していただけて、良かったです^^
私のネタは分かりづらいと良く言われるので(爆)

> 連載応援しております(^^)/

一旦、第3回で完結させますが、また別のテーマで書きたいと思っています。
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