TOEICリスニングスコアアップのための音読入門(理論編1)

リスニングが出来ている状態を単純化するとこんなプロセスでしょうか。

→ (音が聞こえる) → (意味が分かる)

TOEIC初心者の頃、私はこれが分かっていませんでした。TOIECのリスニングでは難しい英文は出題されません。Part2なんかは特に簡単です。スクリプトを読めばどれも意味が分かります。でも、初心者には聞こえません。それは音が聞こえていないからで、音が聞こえるようになればTOEICくらいの英語であれば聞き取れるようになれる。と、思っていました。そこで取り組んだのはディクテーションです。

2009年7月からディクテーションを始め、1年以上毎日やり続けました。ディクテーションはとても負荷の高いトレーニングだけあって、確かに音を聞き取るという目的では非常に効果の高いトレーニングであると実感しました。TOEICのリスニングはあまり音の崩れがないので、このトレーニングでかなり音が聞こえるようになりました。でも、すっきりと意味が分かるようにはなりませんでした。音が聞こえても、意味がとれない、こんな状態です。

→ (音が聞こえる) →

では、リスニングにおいて意味が分かるというのはどういうことなのでしょうか。文だと複雑なので、単語レベルで考えてみます。

inclement weather = 悪天候

Part3に出てくるTOEICの重要単語ですね。単語集でこの意味を覚えて知っているとします。発音も、「インクレメントウェザー」で音を聞き取るのもさほど難しくはありません。でも、「インクレメントウェザー」という音を聞いた瞬間に意味が分からない、あるいは、しばらくしてから意味が浮かんでくるかもしれません。それは、音、英単語、日本語の訳語が単に結びついている状態で、あえて、図化してみるとこんな状態でしょうか。

「インクレメントウェザー → inclement weather → 悪天候

これはリスニングが出来ている状態とは言えません。リスニングが出来ている状態というのは、「インクレメントウェザー」が聞こえた瞬間に、脳の中で「悪天候」の記憶が呼び出されることです。ここが上手く説明しきれないところなのですが、記憶が呼び出されるとは、自分の頭の中で大雪とか台風などの天候の状態が保存されている部分が反応している状態であると言えるのではないでしょうか。イメージと言うか、でも映像のようなはっきりしたものではない、何とも表現のしようがない状態です。

「インクレメントウェザー  (悪天候の記憶)

では「インクレメントウェザー」という音と、(悪天候の記憶)を結び付けていくにはどんなトレーニングが有効でしょうか音声をひたすら聞いたり、シャドーイングを繰り返しても私の場合はなかなか結びつきませんでした。すっきりと聞き取れるようにならないのです。

これはなぜなのだろうと考えていたときに、頭の中に「インクレメントウェザー」と(悪天候の記憶)を結ぶ回路が無いのだろう、この状態ではいくら音を繰り返し聞いても記憶には結びつかない、であれば、逆に、記憶の方から音の方に向かう回路を作ってやればいいのでは、という発想が思い浮かんだのです。言い方を変えると、記憶の方から音をお迎えにいくという感覚です。一旦この回路を開いておいて流れを良くしておけば、音から記憶の方にも信号が流れるのではないかという仮説です。

「インクレメントウェザー」 ←  (悪天候の記憶)

この記憶から音を結び付ける、それを可能にするトレーニングが「キモチ」を込めた音読なのです。

(つづく)

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No title

ohitoです。おはようございます。
記事拝見いたしました。
難しいことを、分かりやすく表現されていて、勉強になりました。
「記憶の方から音をお迎えにいく」ですか。
ネイティブの方が、実体験の状況と言葉を自然に結びつけて成立した状況を、疑似体験することで、理解が容易になる・・・という感じでしょうか。つづきの記事も楽しみにさせていただきます。

やまと言葉落とし

OJiMさん、お久しぶりです。
大変興味深く読ませていただいています。「記憶の方から音の方に向かう回路を作ってやればいい」とおっしゃている点ですが、通訳トレーニングから発展させたK/Hシステム学習法でいう「やまと言葉落とし」と近いものだと思いました。

http://www.kh-system.com/power_of_understanding.html

4.「やまと言葉(自分の言葉やイメージ)」にリンクさせて聞き取る
直訳では頭にパッとイメージが湧きにくいところや、自分の日本語的発想やイメージと違っていて頭に残らないようなところは、直訳や辞書的な硬い理解を一歩こえて、「要は何を言ってるんだろう」「日本人なら、どう言うところだろう」などと自分で分析し、より頭に残りやすい言葉やイメージで即座に意味がとれるように工夫しておきます。これは、普段から新しい表現を覚えるときにも行なうべきステップです。大きなかたまりで、かつ、このようにイメージと即座にリンクできる表現の持ち駒が増えれば、聞き取り力は飛躍的に伸びます。

自分の経験からも、能動的にここまで働きかけてやると定着率が違うと実感しております。OJiMさんなりの工夫について読ませていただくのを楽しみにさせていだきます!

Re: No title

ohitoさん、

> 難しいことを、分かりやすく表現されていて、勉強になりました。

嬉しいコメントをありがとうございます。

> ネイティブの方が、実体験の状況と言葉を自然に結びつけて成立した状況を、疑似体験することで、理解が容易になる・・・という感じでしょうか。つづきの記事も楽しみにさせていただきます。

なるほど、私の難解な説明よりも、よっぽど分かりやすい表現ですね(汗)

引き続きよろしくお願いします。

Re: やまと言葉落とし

Yutaさん、
お久しぶりですね!お元気ですか?

この記事を書いている時から、たぶんYutaさんがフォローに来てくださるのではないかと予想してました(笑)

> 大変興味深く読ませていただいています。「記憶の方から音の方に向かう回路を作ってやればいい」とおっしゃている点ですが、通訳トレーニングから発展させたK/Hシステム学習法でいう「やまと言葉落とし」と近いものだと思いました。

ありがとうございます。
K/Hシステムの存在は旧ブログである方から教えていただいたことがあるのですが、敷居が高そうで読んだことがありませんでした。

> 4.「やまと言葉(自分の言葉やイメージ)」にリンクさせて聞き取る
> 直訳では頭にパッとイメージが湧きにくいところや、自分の日本語的発想やイメージと違っていて頭に残らないようなところは、直訳や辞書的な硬い理解を一歩こえて、「要は何を言ってるんだろう」「日本人なら、どう言うところだろう」などと自分で分析し、より頭に残りやすい言葉やイメージで即座に意味がとれるように工夫しておきます。これは、普段から新しい表現を覚えるときにも行なうべきステップです。大きなかたまりで、かつ、このようにイメージと即座にリンクできる表現の持ち駒が増えれば、聞き取り力は飛躍的に伸びます。

おー、本質はズバリこれですね。
しっかりと勉強してみたいと思います。

> 自分の経験からも、能動的にここまで働きかけてやると定着率が違うと実感しております。OJiMさんなりの工夫について読ませていただくのを楽しみにさせていだきます!

ありがとうございます。
私なりの、視点で考えたことや実践の方法を公開していこうと思いますので、またご指導くださいませ。

興味深いです

こんばんは。久しぶりにコメントします。
今年も宜しくお願いします。(ご挨拶遅すぎ
ですね。)
 
私がリスニングが苦手なのはこの部分が
出来ていないからだと思います。
 
音が聞き取れてもそれをイメージ出来て
いないのだと思います。
 
このシリーズはとても興味深いです。
続編楽しみにしています。

Re: 興味深いです

mamiちゃん、

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

> 音が聞き取れてもそれをイメージ出来て
> いないのだと思います。

mamiちゃんのスコアからすれば、公式問題集のPart3、4であれば、
イメージできていないのは2、3割なのではないでしょうか。
それがどの文なのかを特定するのがまず大切です。
それを集中的に音読すればいいのですが、mamiちゃんは暗唱まで出来ているので、
その文を「キモチ」を込めて暗唱すればリスニング力は確実にアップすると思います。

> このシリーズはとても興味深いです。
> 続編楽しみにしています。

ありがとうございます。
実践編では、音読、シャドーイング、暗唱を組み合わせた私のトレーニング方法を紹介する予定です。
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